林芙美子記念館の施設紹介


茶の間
掘りごたつ、釣り戸棚、二段押し入れ、収納式神棚、多くの小引出しなどを備えたこの部屋は、暮らしやすさを考えた一家団らんの場でした。ちゃぶ台を囲んで一家が集まる時、芙美子の母・キクは、常に右手床の間の床柱前に、大きな座布団を敷いて座ったそうです。
 
 

書斎
納戸として作られたこの部屋は、しばらくすると、書斎として使われるようになりました。納戸として作られたため、洋服入れ、物入れなどが作り付けられ、使いやすく出来上がっています。しかし、深い土庇、部屋の中から、半障子を通して廊下越しに北の小庭が見えるなど、納戸とは思えないような趣向が凝らされています。芙美子は熱中すると強度の近眼用眼鏡をはずし、顔を机につけるように執筆しました。
作品が仕上がると自分で掃除をし、普段は家人にもさわらせなかったそうです。
 
 


芙美子生存中、この庭一面に孟宗竹が植えられていました。その死後、次第に竹は切られ、その面影は客間前の庭付近に見られるだけとなりました。このほか、寒椿、ざくろ、かるみや、おおさかづきもみじなど、芙美子が愛した木々がこの庭にも植えられました。
 
 


 

小間
奥の棚に小さな仏壇が置かれたこの部屋は芙美子の母・キクが使っていました。しかし、男性の書生がいるときにはその寝室にもなりました。また、客間がいっぱいになったり、ひき会わせたくない客がぶつかると、客間としても使われました。
  
 
 

アトリエ(現展示室)
画家であった夫・緑敏のために作られました。