新宿歴史博物館 令和3年度所蔵資料展「路面電車と新宿風景」 展示の見どころ
路面電車は明治時代に開業し、東京市民の足として活躍しました。新宿区内では、明治36年(1903)の半蔵門-新宿間の開業を皮切りに次々と路線が整備され、最大で12系統の路線がありました。地下鉄や自動車などの発達に伴い、戦後はほとんどの路線が廃止されましたが、今でも唯一、都電荒川線が活躍を続けています。
路面電車はまちの風景に溶け合い、その写真は明治から戦後にかけての新宿を今に伝えています。それらの資料を通して「路面電車と新宿風景」 展示の見どころをご紹介します。(チラシ)(出品目録)
【展示室入り口】
入口の床には路面電車の軌道が描かれています。軌道に沿って展示室の中へお進みください。
【東京の路面電車の歴史】
明治5年(1872)に日本初の鉄道が新橋-横浜間に開業すると、新しい路線が次々に開業し、鉄道網が広がっていきました。東京市内に初めて路面電車が開業したのは、明治36年(1903)です。路面電車は、戦後その多くが廃線となるまで、市民の足として活躍しました。
馬車鉄道とは、鉄道の軌道の上を馬車が走るもの。明治時代に活躍しましたが、しだいに電化され廃止されました。
日露戦争の戦勝を記念した凱旋門が、路面電車の軌道上に建てられています。
右手前は、昭和初期から昭和34年までの市電・都電乗車券。左奥は、市電の路線が描かれた三越呉服店の包装紙。
新宿通りから靖国通りへ都電の発着地点を変更するため、工事が行われました。
戦後の交通需要の変化に伴い、都電の多くの路線は廃線となりました。3月末の廃止目前に、築土八幡町を走る都電13系統。
【路面電車廃線の旅】
新宿区内には、かつて12系統の路面電車の路線が走っていました。展示室では、系統番号ごとに新宿区内を走行した路面電車の写真を集め、紹介しています。
このほか、東京都交通局所蔵の資料(都電運転手制服、乗務員用の鞄やパンチ、切符発売箱など)も展示しております。
今は失われてしまった、路面電車の走る新宿風景。豊富な資料とともに、ぜひ展示室でご覧ください。