◆終了しました◆新宿歴史博物館 令和4年度所蔵資料展「記憶の底にある宝物 子ども時代の遊びとおもちゃ」展示の見どころ

「記憶の底にある宝物 子ども時代の遊びとおもちゃ」

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展示室は、主に3つのエリアに分かれています。
戦後(昭和20年~昭和後期)の遊びやおもちゃを紹介する「子ども時代の遊びとおもちゃ」
あいうえお順に様々な遊びやおもちゃを紹介する「遊びとおもちゃの事典」
そして、東京おもちゃ美術館が所蔵する郷土玩具を紹介する「祈りの郷土玩具」です。

「子ども時代の遊びとおもちゃ」
-昭和20年代-
誰もが生きていくために必死だった戦後、子どもたちの前に最初に現れた娯楽は紙芝居でした。子どもたちは、「黄金バット」をはじめとする物語に胸を躍らせました。また、路地や空地、川などの遊び場も豊富にありました。何もない時代に、子どもたちは自分なりに遊びを創り出し、夢みる心を育んだのです。
昭和20年代の半ば頃からは少しずつ景気が回復し、しだいにおもちゃの生産も再開されていきました。

【主な展示資料】
・「あんみつ姫かるた」昭和20年代後半頃、信宏社
・「科学教育漫画 原子双六」昭和24年(1949)頃、日本発明新聞社
資料数20点ほど

紙芝居「ぬまのおとこ5」昭和20年代頃、あけぼの会

紙芝居「ぬまのおとこ5」昭和20年代頃、あけぼの会

「チンドン屋についていく子どもたち」昭和28~29年(1953~1954)

「チンドン屋についていく子どもたち」昭和28~29年(1953~1954)

 

「飛行塔に乗る子どもたち(新宿御苑遊園地)」昭和27年(1952)

「飛行塔に乗る子どもたち(新宿御苑遊園地)」昭和27年(1952)

「少女」昭和29年(1954)6月号/光文社

「少女」昭和29年(1954)6月号/光文社

 

「野球スター合せ セントラルリーグ」昭和25年(1950)頃

「野球スター合せ セントラルリーグ」昭和25年(1950)頃

 

-昭和30年代-
昭和30年代は、日本経済がしだいに上向き、人々の消費生活に変化が起こった時代です。生活に余裕が出たことで余暇への関心が高まり、人々は様々な形の娯楽を求めるようになりました。
テレビやラジオの普及は、子どもの娯楽にも変化を起こしました。マスメディアの影響を受け、子どもたちのヒーロー・ヒロイン像はしだいに変わってゆきます。また、おもちゃの消費サイクルも早くなり、ホッピングやフラフープなど、数々のブームが生まれました。

【おもな展示資料】
・「赤胴鈴之助 ブリキの刀」昭和30年代
・「月光仮面ブロマイド」昭和30年代
・「鉄人28号」横山光輝著、昭和36年(1961)2月1日発行(「少年」第16巻第3号附録)光文社(個人蔵)
・「鉄腕アトム」手塚治虫著、昭和39年(1964)7月1日発行(「少年」第19巻第8号附録)光文社(個人蔵)
・「こども専用目が痛くないシャンプー 鉄腕アトム」昭和40年(1965)頃 ダリヤ(個人蔵)
資料数50点ほど

「ホッピングで遊ぶ子ども」昭和31年(1956)頃

「ホッピングで遊ぶ子ども」昭和31年(1956)頃

「ダッコちゃんと子どもたち」昭和36年(1961)

「ダッコちゃんと子どもたち」昭和36年(1961)

 

「少年探偵団かるた」昭和30年代、信宏社

「少年探偵団かるた」昭和30年代、信宏社

 

-昭和40年代から昭和後期-
昭和40年代は、月面着陸や大阪万博といった人類の夢が大きく広がるような出来事があった一方で、国内では公害問題が深刻化、海外ではベトナム戦争が泥沼化し、経済成長や科学発展による負の遺産が影を落とした時代です。人々の価値観は、この時代に大きく揺さぶられました。
ほぼすべての世帯にテレビが普及したことで、マスメディアが子どもに与える影響はより強くなっていきます。次々に新しい流行やブームが生まれ、遊びやおもちゃは多様化し豊富になっていきました。その一方、路地や空き地などの遊び場は、車の増加や都市化によってしだいに失われていきました。

昭和後期に高度経済成長が終わり、日本は転換期を迎えます。2度のオイルショックを経て、エネルギーや環境への関心が一般的にも高まっていました。
この時代、それまでなかった新しい遊び場やおもちゃが登場し、成長を遂げました。昭和58年(1983)に東京ディズニーランドが開園。同年に発売されたファミリーコンピュータは、家庭に「TVゲーム」というおもちゃを普及させ、遊びの形を大きく変えました。

【おもな展示資料】
「昭和40年代頃に生産されたソフビ人形……ゴジラ(ブルマァク)、キングギドラ(ブルマァク)、ウルトラ兄弟・ペギラ・カネゴン等怪獣(ブルマァク等)」個人蔵
「仮面ライダー変身ベルト」昭和40年代、ポピー
「(初代)人生ゲーム」昭和46年(1971)頃、タカラ 個人蔵
「ルービックキューブ」昭和55年(1980)頃
「ファミリーコンピュータ」昭和58年(1983)、任天堂 個人蔵
資料数70点ほど

展示風景1

展示風景1

 

「遊びとおもちゃの事典」

博物館が所蔵するおもちゃや遊びに関する資料を、あいうえお順に紹介します。資料数70点ほど。その一部を紹介します。

影踏み
「蔭や唐禄神」とも呼ばれる、影を使った鬼ごっこの一種。鬼に影を踏まれたものが新たな鬼になる。建物の影などにひそんでも、「かげやとうろくじ 十三夜のぼたもち」と声がかかるとその場を移動しなければならない。鬼はこの機をねらって影を踏む。

影踏み「児童教育模範画譜 児童遊戯 かげやとうろくじ」明治35年(1902)

影踏み「児童教育模範画譜 児童遊戯 かげやとうろくじ」明治35年(1902)

玩具映写機
国産のおもちゃの映写機。ハンドルを回すとフイルムのコマが回転する。内部の電球が光源となり、動画が投影された。

玩具映写機「ライオン活動写真機」昭和初期 ※展示室にて実動する動画を上映

玩具映写機「ライオン活動写真機」昭和初期 ※展示室にて実動する動画を上映

子をとろ子とろ(子とり婆)
左に描かれた少女が「鬼」。右の少女たちは、先頭が「親」で、他の子どもたちは前の者の帯の結び目を掴み、縦列をつくる。鬼は親の後ろに回り込んで子どもを捕えようとし、親は素早く動いてこれを阻む。

「子供風俗 子とり婆」明治29年~30年(1896~1897)宮川春汀

「子供風俗 子とり婆」明治29年~30年(1896~1897)宮川春汀

立版古(たてばんこ)
江戸時代のペーパークラフトの一種。組上燈籠絵(くみあげとうろうえ)とも呼ばれる。子どもの手だけでは、完成は難しい。多くは大人が一緒に楽しんだのだろう。

「明治座新狂言 文覚上人荒行之場(組上げ済)」明治29年(1896)

「明治座新狂言 文覚上人荒行之場(組上げ済)」明治29年(1896)

だるま落とし
上のだるまが倒れないように、下のコマを素早くハンマーで打ち飛ばしていく遊び。慣性の法則を学ぶ教材に取り上げられることもある。

だるま落とし

だるま落とし

※展示室にて動画を上映

※展示室にて動画を上映

 

「祈りの郷土玩具」
郷土玩具とは、日本各地の風土から生まれ、古くから親しまれてきた庶民的なおもちゃです。もともと、寺社の祭礼や縁日などで売られていたものが多く、そのモチーフやデザインは、つくられた時代や土地によってさまざまです。どの郷土玩具にも、子どもの成長を願う祈りがこめられています。
郷土玩具は、祈りをこめて作られた素朴な形は心に響き、つくられた時代の人々の暮らしや心の在り方へ思いをめぐらせます。

鳩笛(日本各地)

鳩笛(日本各地)

高松嫁入人形(香川)

高松嫁入人形(香川)

 

鯛抱き童子(香川)

鯛抱き童子(香川)

わら細工(日本各地)

わら細工(日本各地)

その他の見どころ

「駄菓子屋を再現!」
子どもにとって駄菓子屋は、単にお菓子やおもちゃを買う場所というだけではなく、店主とのやり取りで大人との付き合い方を学んだり、少ないお小遣いをやりくりすることで計画性を養ったりする、学びの場でした。また、友だちが集まりその日の遊びを決める社交場でもありました。子どもをめぐる社会環境の変化にしたがい姿を消しつつある駄菓子屋を、再現展示します。

展示風景2

展示風景2

 

ブックレット「記憶の底にある宝物 新宿歴史博物館ボランティアのみなさんの子ども時代の遊びとおもちゃ」
新宿歴史博物館で活動するボランティアの皆さんに、子ども時代の遊びやおもちゃについての思い出をお寄せ頂き、一冊にまとめました。生き生きとした子ども時代のエピソードが集録されたブックレット、ぜひご一読ください。会期中、展示会場で無料配布します。

ブックレット「記憶の底にある宝物」

ブックレット「記憶の底にある宝物」

【開催期間】
6月11日(土)~8月28日(日)
【時間】
9:30~17:30(入館は17:00まで)
【休館日】
6月13日(月)・27日(月)、7月11日(月)・25日(月)、8月8日(月)・22日(月)
【会場】
新宿歴史博物館 地下1階企画展示室
【料金】
無料
【展示協力】
東京おもちゃ美術館
【お問い合わせ】
新宿歴史博物館 03-3359-2131